なぜ投資を始めたのか——インデックスと、高配当株と

貯蓄型保険を解約した理由は、

すでに「より良い資産運用の方法」に気づくことができたからです。

僕は、お金についての考え方を、根本から作り直す必要があった

保険会社に預けることが「プロに任せること」ではないと知った。

では、本当の意味で自分の資産を育てるとはどういうことか。

その問いが、投資への入口だった。


r > g、という不等式

投資を調べ始めたころ、フランスの経済学者トマ・ピケティの言葉に出会った。

r > g

資本収益率(r)は、経済成長率(g)を常に上回る——という不等式だ。

難しい話は別の機会に譲るが、この式が意味することをざっくり言うと、

**「働いて稼ぐより、資本を持って増やす方が、歴史的に見て有利だった」**

ということだ。

これが僕には、妙に刺さった。

勤勉に働くことの価値を否定しているわけではない。

ただ、労働だけに依存する人生設計の脆さを、静かに突きつけてくる言葉だと思った。

お金にも、働いてもらう必要がある。

よく言われること、よく耳にすること

けれども実践している人はどれほどいるだろうか?


インデックス投資という答え

資本を育てる手段として、まず出会ったのがインデックス投資だった。

全世界株式や米国株のインデックスファンドは、

過去の長期実績として平均実質利率7%前後を記録してきた。

7%という数字がどれほどのものか。

貯蓄型保険の1.3%と比べてもらえれば、伝わると思う。

複利で30年運用すると、その差は取り返しのつかない開きになる。

もう少し踏み込むとインデックス投資の利回りは実質であるということ。

この意味は、これからのインフレしていく世界線では非常に重たい概念であるが、

またの機会にじっくり考察しようと思います。

もちろん、過去の実績が未来を保証するわけではない。それは百も承知です。

ただ、人が投資を始めるとき、根拠が必要です。

特に日本人は「損をしたくない」という気持ちが強い。保証を求めるマインドが、投資への一歩を踏み出させない。

その点でインデックス投資は、過去という長い歴史を根拠にできる

これが、日本人にとって比較的手を出しやすい理由だと思う。

僕も最初に買うとき、ドキドキしました。それでも歴史の実績に乗っかる形で、踏み出した。

今は、正直あまり面白くはない。

値動きを眺めても、ドラマがない。それが正しい投資の姿だとわかっていても、少し寂しい感覚があります。

そして、もうひとつの限界にも気づいた。

インデックス投資は、今使えるお金を増やしてくれない。

資産は育っていく。でもそれは売らない限り、数字の上の話です。

キャッシュフロー、

つまり手元に入ってくるお金は変わらない。

将来のための蓄積としては正しい。でも、今の生活に何かが還ってくる感覚はない。


高配当株へ、もうひとつの理由

そこで目をつけたのが、日本の高配当株です。

米国には優秀な高配当ETFがあるという。

ただ日本では、市場規模の問題や景気敏感株の多さから、本当の意味での高配当ETFはまだ育ちきっていないと言われています。

だから日本の高配当株投資は、自分で勉強するしかない。

それが面倒かというと——僕にはむしろ、好奇心が勝った。

日本に住んでいる。日本の企業のニュースが日常的に入ってくる。

景気の温度感が、肌でわかる。その感覚は、外国株にはない強みだと思った。

自分でポートフォリオを組む、という行為自体への興味もありました。

そして何より、タイミングの話がある。

僕が日本株投資を始めたとき、日経平均は27000円前後でした。

長らく低迷し続けた日本株市場に、その頃から構造的な変化の予感がありました。

東証の改革、企業のガバナンス意識の変化、円安の影響——さまざまな要素が重なって、上昇の可能性を感じていました。

何よりもコロナ禍以降、世界のマネーが行き場を探しているような印象がありました。

「当たればキャピタルもインカムも狙える」

そんな潜在的余力が日本株にはあると感じました。

その読みが当たったかどうかは、今となっては結果が出ています。

ただそれは、運の要素も大きい。


具体的な銘柄は、教えられない

ここで正直に書いておきたいことがあります。

高配当株投資について、具体的な銘柄は書かないつもりです。

僕は専門家ではない。

ファイナンシャルプランナーでも、証券アナリストでもない。

自分の判断で自分のお金を動かしているだけの、一介の医者です。

この記事を読んで「株を買おう」と思う人がいたとして、その人の人生に責任は持てない。

息子たちへ残すノートとして、考え方と動機は書きます。

でも「これを買え」とは書かきません。


結局、なぜ投資を始めたのか

まとめると、こういうこと。

貯蓄型保険という「安全に見える罠」から抜け出したとき、お金の本質が少し見えた。

資本は働かせるもの。ピケティが言うように、歴史はそれを証明しています。

インデックス投資は、長期の資産形成の軸になります。

高配当株は、キャッシュフローという現実的な還元をもたらしてくれる可能性がある。

その両輪を持つことが、今の僕の答えです。

正解かどうかはわからない。

でも、無知のまま毎月5万円を保険会社に預け続けるよりは、ずっとましだと思っています。


次回は、ピケティの「r > g」をもう少し丁寧に読み解いてみたい。


Notice !