死ぬまで働き続ける日本人――28年ぶりの日米協調介入から考えたこと

少し、うがった見方をしてみたいと思います。

こういうことを書くと、

「陰謀論だ」
「アメリカ陰謀論だ」

と言われるかもしれません。

もちろん、僕も「誰かが裏で日本を操っている」という単純な話をしたいわけではありません。

ただ、これからの日本を生きていくうえで、

表向きの説明だけではなく、その政策によって誰が得をして、誰が負担しているのかを見ること

は大切なのではないかと思っています。

今回の日米による協調的な円買い介入を見て、そんなことを考えました。

「アメリカまで円を買う」という異例さ

僕が最初に感じたのは、これです。

日米協働で為替介入がありました。
市場原理に任せておくと、円安が加速しすぎるからです。

アメリカが協働するのはいつぶりか?
それくらい危機的な円安。
つまり円の価値が暴落しているのです。

今回のように米国が日本と協調して円を買うのは極めて異例です。

ただし、ここで一つ冷静にならなければいけません。

「アメリカが日本を助けてくれた」

と考えるのも、

「円が崩壊寸前だからアメリカまで動いた」

と考えるのも、少し単純すぎます。

国家は基本的に、自国の利益のために動きます。

円安が急激に進めば、日本だけの問題では済みません。

アジアの通貨市場にも影響しますし、日本が円買い介入の原資を確保するために大量のドル資産を動かせば、米国の金融市場にも影響する可能性があります。

つまり米国が動いたこと自体を、

「日本を救うため」

と考える必要はない。

円の急落が、アメリカにとっても無視できない問題になった。

まずはそのくらいに考えるのが妥当でしょう。

円はドルを支えているのではないか

ここから、僕の少しうがった見方です。

日本は構造的にアメリカの属国です。

円にはドルを支えるという構造的役割があるという見方もできます。

「属国」という言葉はかなり強いが、そういう人たちも多くいるのも事実です。

もちろん、日本が法律上アメリカの属国であるわけではありません。

一方で、戦後の日米関係、安全保障、通貨、貿易、金融市場を見れば、日本経済とアメリカ経済が極めて深く結びついているのも事実です。

そして金融だけを見ても、面白い構造があります。

日本は長い間、世界でも突出した低金利国でした。

低い金利で円を調達し、それをドルなどに替え、より高い金利を得られる海外資産へ投資する。

いわゆる円キャリートレードです。

日本の金融機関や機関投資家も大量の海外資産を保有しています。

すると、

低金利の円

円を売って海外へ投資

ドルなどの需要が生まれる

海外資産へ資金が流れる

という構造が生まれます。

ここには秘密結社も、悪の支配者も必要ありません。

市場参加者がそれぞれ合理的に行動するだけで成立します。

だから、

「円がドルを支える役割を果たしてきた」

という僕の表現は少々乱暴ですが、まったく荒唐無稽とも言い切れないのです。

では、そのコストを誰が払っているのか

問題はここです。

その結果、
国民生活はインフレで苦しみ、
円の価値は暴落し、
貧富の差は拡大し、

一般庶民は大変です。

円安にはメリットもあります。

海外で稼ぐ企業には追い風になります。

海外資産を持っている人なら、円換算した資産価値が増えます。

訪日外国人が増えれば、観光業にも恩恵があります。

だから「円安=日本にとって悪」と単純化することもできません。

しかし、円で給料をもらい、円で預金し、そのお金で輸入品を含む生活必需品を買う人にとっては話が違います。

物価が上がっても、同じ速度で給料が上がらなければ購買力は落ちます。

100万円という預金残高は変わらなくても、その100万円で買えるものは少なくなる。

つまり、

通帳の数字は減っていないのに、実質的には貧しくなる。

インフレの怖いところです。

そして資産を持つ人は、株、不動産、外貨、海外資産などによってインフレから身を守ることができます。

一方、労働所得と円預金だけで生活している人ほど、その影響をまともに受けます。

ここに資産格差が生活格差へ転換されていく構造があります。

「上級国民を支える」は本当なのか

そして日本国民の役割としては、こんな考え方もできるのではないかと

ドルを支え、
アメリカ様を支え、
上級国民を支え、
さらには移民を支え、

日本国民ほど忍耐強い民族はいないと思います。

かなり意地の悪い書き方です。

当然、この一文をそのまま事実として扱うことはできません。

特に「移民を支える」という部分は、社会保障制度や税負担、労働力不足への寄与などを含めて検討しなければならず、単純に負担だと断定するのは適切ではありません。

ただ、ここで僕が言いたかったことは別のところにあります。

社会を維持するために必要なコストは、最終的に誰が負担しているのだろう。

という疑問です。

税金。

社会保険料。

物価上昇。

住宅費。

教育費。

そして通貨価値の低下。

一つ一つには、それぞれもっともらしい理由があります。

それでも全部を合計したとき、

ごく普通に働き、ごく普通に子供を育て、ごく普通に老後を迎えようとしている人の負担が、あまりにも重くなってはいないでしょうか。

本当に怖いのは「支配者」がいなくても成立すること

そして僕は、皮肉を込めて

この構造に気づいていない人が多いというのも、
支配する階級たちの日々の努力の賜物です。

と思います。

これも、かなりうがっています。

でも考えているうちに、むしろ逆なのではないかと思うようになりました。

「支配する誰か」が存在しなくても、この構造は成立するのではないか。

アメリカはアメリカの国益を守る。

日本政府は財政と景気を考える。

日銀は物価と金融システムを考える。

企業は利益を最大化する。

投資家は資産を守る。

富裕層は税やインフレから資産を守る。

どの行動も、それぞれの立場から見れば合理的です。

しかし、それらが積み重なった最後に、

何も知らず、何も持たず、ただ真面目に働いて円で給料をもらい、円で貯金している人

が最も無防備になっているとしたら。

そこには巨大な陰謀など必要ありません。

むしろ、その方が怖い。

死ぬまで働き続ける日本人

そして最後に行き着いたのが、この言葉でした。

死ぬまで働き続ける日本人。

寿命が延びました。

老後に必要なお金も増えました。

物価は上がります。

円の購買力は変化します。

社会保険料の負担もあります。

「老後2000万円問題」が話題になったこともありましたが、そもそも30年後の2000万円が、現在の2000万円と同じ価値を持っている保証すらありません。

そうなれば、普通の人ができる最も確実な防御策は何でしょう。

働くことです。

60歳まで働く。

65歳まで働く。

70歳まで働く。

それでも不安なら、働ける限り働く。

もちろん働くことそのものは悪いことではありません。

仕事に生きがいを感じる人もいます。

僕自身、働けるうちは働いていたいと思っています。

でも、

「働きたいから働く社会」と「働かないと生きていけない社会」は、まったく違います。

ここは区別して考えなければいけないと思います。

少しうがって世の中を見る

僕は、アメリカが悪いと言いたいわけではありません。

富裕層が悪いとも思いません。

政府の中に日本人を貧しくしようと企んでいる人たちがいる、と言いたいわけでもありません。

むしろ逆です。

世界は、それぞれが自分の利益を守ろうとすることで動いています。

国家は国益を守る。

(日本に限って言えば国益がファーストのような気がしませんけど)

企業は利益を守る。

投資家は資産を守る。

それなら僕たちも、

自分と家族の生活を守るために、世の中の構造くらいは知っておいた方がいい。

「政府がそう言っているから」

「専門家がそう説明しているから」

「みんなそうしているから」

だけではなく、

この政策で誰が得をするのか。

誰が負担するのか。

お金はどこから来て、どこへ流れていくのか。

市場はその政策にどう反応したのか。

少しだけ、うがった見方をしてみる。

もちろん、間違っていることもあるでしょう。

そのときは修正すればいい。

でも、何も考えずに与えられた説明を受け入れるよりはいい。

これからの日本では、

真面目に働くことだけでなく、世の中の構造を知ることも、自分と家族を守るための一つの能力になる。

そんな時代なのかもしれません。

onorenoo

おのれ

@onorenoo

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