今、日本ではいろいろな病気が増えています。心身的にも肉体的にも健康的と言える人が非常に少ない印象です。どうしてそうなってしまったのでしょうか?僕は、その原因は「食」にあると思っています。
季節のもの、旬なものを食べない。家族で食べない。用意されたもの、加工されたものを食べる。安いことを優先して食事を選ぶ。こういった行動がどのような結果(健康)に結びつくのかをよく考える時が来ていると感じています。今回はその一部であり、代表的な「糖」に関して簡単にまとめてみました。

この記事はこんな人におすすめ
- 小さなお子さんがいる家庭
- 慢性疾患の予防に興味がある方
- 加工食品や精製糖をよく摂る方
- 食事と健康の本質的な関係を学びたい方
がん、アレルギー、認知症…現代に生きる私たちのまわりには、原因が明確にわかりにくい病気が増え続けています。それらの背景に「加齢」や「遺伝」では片付けられない要素があるとしたら、どう向き合えば良いのでしょうか?
本記事では、「食と現代病の関係性」にフォーカスし、私たちの体に日々入っている“食品”が、どのように健康へ影響するのかを、医師の視点から丁寧に解説します。
現代病の増加と食生活の関係

日本では近年、がん、アレルギー、認知症などの病気が急増しています。確かに高齢化の影響もありますが、アレルギー疾患のように若年層にも関係する病気の増加は、年齢以外の原因を示唆しています。
その背景の一つが、「食の質の変化」です。特に問題視されるのが、
- 精製糖や精製小麦の過剰摂取
- 食品添加物の多い加工食品の普及
これらの食品は、血糖値を急激に上昇させ、インスリン分泌を促進し、結果的に体内の慢性炎症や病気リスクを高めていると考えられます。
精製糖とがんの深い関係

白砂糖などの精製糖は、体内で素早く吸収され、血糖値を急上昇させます。それにより、インスリンが多量に分泌されるだけでなく、「IGF-1(インスリン様成長因子)」という成長促進因子も増加。
がん細胞はブドウ糖を栄養源とするため、高GI食品中心の食事は、がんの成長をサポートしてしまう可能性があるのです。また、IGF-1は体内の炎症を促進し、慢性炎症ががんの土壌になるとも言われています。
GI値とは?なぜ重要なのか?

GI(グリセミック・インデックス)値とは、食後に血糖値がどれだけ上がるかを示す指標です。
- 高GI食品:血糖値を急上昇 → インスリン過剰 → 病気リスク増加
- 低GI食品:血糖値の上昇が緩やか → 体に優しい
このGI値を意識することが、日々の食事から病気を予防するための重要な鍵となります。
高GI値 vs 低GI値食品の例
種類 | 食品 | 備考 |
---|---|---|
🔴 高GI値 | 白砂糖、果糖ブドウ糖液糖、白パン、白米、ケーキ、コーンフレーク、フライドポテト、清涼飲料水 | 加工・精製度が高いもの |
🟢 低GI値 | 玄米、全粒粉パン、オートミール、ブロッコリー、豆類、りんご、ベリー、無糖ヨーグルト、ナッツ、ぬか漬け | 自然に近い形・食物繊維が豊富 |
GI値を抑えるための食事のコツ

1. 主食を置き換える
→ 白米→玄米、白パン→全粒粉パン
2. 食物繊維を一緒に摂る
→ 野菜や豆類は糖質の吸収を穏やかにしてくれる
3. 食べる順番を工夫する
→ 野菜やタンパク質を先に食べ、糖質は後から
4. 空腹時の糖質に注意
→ 朝食抜き後の甘い飲み物やお菓子は血糖値が急上昇しやすい
5. 間食は低GIのものを
→ アーモンド、くるみ、果物(少量)が理想的
まとめ

現代社会に増えている病気の一因には、「日々の食生活の質」が深く関わっています。
私たちや、特に自分で食を選べない子どもたちの健康を守るためにも、
- 精製糖や加工食品を減らす
- 食物繊維を意識的に取り入れる
- 血糖値の急上昇を避ける
といった工夫が、未来の体をつくります。
“自然な食品”をシンプルに楽しむことが、最も本質的な予防医学です。
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