こんにちは、本質を考える医師です。
もうすぐ新居への引っ越しを控えています。
工務店の方から、こんなひと言をいただきました。
「引っ越したら、必ず太陽光パネルの業者が来ますから、断ってくださいね。」
もちろん、そのような営業には乗るつもりはありません。
住宅への太陽光パネル設置には一見メリットもありますが、よく調べると、経済的・物理的・倫理的・環境的に無視できないデメリットが存在します。
この記事では、それらを整理し、冷静に判断する材料を提供したいと思います。
1. 建物にかかる物理的な負担

- 屋根への重量負荷
太陽光パネルと架台の重さは、1㎡あたり15〜20kg。築年数が古い家や軽量な設計の家では、屋根の耐荷重を超える恐れがあります。補強工事が必要な場合もあり、その費用は数十万円にのぼることも。 - 防水性の低下
設置時に屋根へ穴を開けることで、雨漏りの原因になることがあります。特に施工ミスや経年劣化によるシーリングの剥がれには注意が必要です。修理には10万円以上かかるケースも。 - メンテナンスの難しさ
屋根の上での作業は、足場を組む必要があり、勾配のある屋根では安全対策費も含めて高額になりがちです。 - 自然災害への弱さ
台風や地震などでパネルが落下・破損するリスクがあり、近隣への被害が出た場合は賠償責任が発生する可能性も。
2. コスト面の問題

- 初期投資の大きさ
一般的な4kWシステムで100万〜150万円(補助金後でも80〜120万円)が必要。元を取るには20年以上かかる場合もあり、短期的には収益は見込めません。 - 維持・修理費用の存在
パワーコンディショナー(20〜40万円)の交換が15〜20年ごとに必要。定期点検(年1万円程度)や修理費(20〜60万円)も積み重なります。 - 廃棄時のコスト
パネルの寿命(20〜30年)を迎えた後の撤去・処分費用は20〜50万円以上。リサイクルを選ぶとさらに費用がかさみます。 - 売電収入の減少
固定価格買取制度(FIT)は年々価格が下がっており、今後は市場価格(10円/kWh以下)に移行。自家消費を除けば、十分な収益は見込みにくい状況です。 - 機会費用の大きさ
同じ資金をインデックス投資に回せば、年利6%で20年後に200万円以上になる可能性も。太陽光はそれに比べると微益〜赤字のリスクが高いです。
3. 倫理的な問題

- 強制労働の懸念
世界の太陽光パネルの7〜8割は中国製であり、新疆ウイグル自治区での強制労働による製造が問題視されています。知らずに人権問題に加担する可能性もあります。 - 補助金の不透明性
一部の政策や補助金制度が、中国製パネルの在庫処理や特定企業の利益誘導に利用されているという指摘も。税金の使い道として納得しづらい部分があります。
4. 環境への影響

- 廃棄による環境負荷
リサイクル技術が未成熟なため、廃棄される際に鉛やカドミウムなどの有害物質が問題となる可能性があります。 - 製造時のCO2排出
製造には大量のエネルギーを必要とし、中国など石炭火力が主な電源の地域では、設置によるCO2削減効果が相殺されることも。 - 景観への影響
住宅街での統一感を損ねたり、パネルの反射光によって近隣トラブルになることも。
5. 健康・生活への影響

- 電磁波への懸念
パワーコンディショナーから微量の電磁波が発生。健康への影響は科学的に明確ではありませんが、不安を感じる人もいます。 - 火災のリスク
配線の不良や経年劣化によって、火災が発生する事例も。消火時にパネルが邪魔になり、対応が遅れるケースも報告されています。 - 騒音問題
パワーコンディショナーの動作音が気になる場合もあり、静かな住宅環境ではストレスになることがあります。
6. その他のデメリット

- 政策に左右される
補助金やFITが打ち切られれば、経済性はさらに悪化。今後、政策が変われば「設置が義務だったもの」が不要になる可能性も。 - 住宅資産価値への影響
老朽化したパネルがついた住宅は、売却時に敬遠されることがあります。撤去費用を心配する買い手も少なくありません。 - 心理的負担
長期間にわたって投資回収を意識するストレスや、トラブル対応の不安も軽視できません。
まとめ
太陽光パネルの設置は一見「エコ」や「経済的メリット」がありそうに見えますが、実際にはその裏に多くの課題があります。
建物への物理的負担、見合わない経済性、人権や環境に関わる倫理的問題まで、幅広くリスクを考慮する必要があります。
そして、その「エコ」すらも、もしかするとイメージ戦略に過ぎないかもしれません。
太陽光パネルを導入するかどうかは、こうした側面をすべて理解した上で、「本当に納得できる理由があるか」を自問する必要があると思います。
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