将来の資産形成を考える中で、投資に興味を持った方の多くが最初に出会うのが「NISA制度」ではないでしょうか。
税制優遇があることは知っていても、「実際どう始めたらいいの?」「どんな注意点がある?」と感じている方も多いはず。
この記事では、NISA制度の基本から、始めるために必要なもの、注意点、やってはいけないことまで、初心者向けに丁寧に解説します。
1. NISA制度とは?簡単に解説

NISA(ニーサ)とは「少額投資非課税制度」のこと。
投資で得た利益(配当や売却益)に税金がかからないという、非常にお得な制度です。
2024年から制度が大きくリニューアルされ、**新NISA(新しいNISA)**がスタートしました。
新NISAの特徴(2024年~)
- 非課税保有期間が無期限
- 年間投資上限額が拡大(つみたて投資枠:120万円/成長投資枠:240万円)
- 生涯投資枠:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- 売却後に非課税枠を再利用できる(使い切りではない)
>> NISAに関して、毛嫌いしている人が多いと思いますが、しっかりと知識をつければそこまで警戒する必要はないもの。むしろうまく利用するべき制度だと思っています。もちろん投資ですのでリスクはあります。
2. NISAを始めるのに必要なもの

- マイナンバーカード or マイナンバー通知カード
- 銀行口座(引き落とし用)
- NISA対応の証券口座(金融機関)
- 本人確認書類(運転免許証など)
証券口座を解説する際に、NISA口座の解説に関しても案内があると思います。
3. NISA利用時の注意点

制度自体は魅力的ですが、注意すべきポイントもあります。
注意点
- NISA口座は1人1口座まで
→ 複数の証券会社でNISAは開設できません(ただし一般口座や特定口座は併用可能) - 損益通算ができない
→ NISAで損失が出ても、他の口座での利益と相殺できません - 非課税枠は翌年に繰り越せない(投資上限額は使い切り)
- 商品選びは慎重に
→ NISA枠で投資した商品は、できるだけ長期保有を前提に選びましょう。
→ 短期売買には不向きです。
損益通算ができないってどういうこと?
通常の課税口座(特定口座など)では、「A銘柄で+10万円の利益」「B銘柄で−8万円の損失」が出た場合、差し引き**+2万円**に対して課税されます。これが「損益通算」と呼ばれる仕組みです。
しかしNISAでは、損失が出ても他の利益と相殺できません。
たとえば、
- 特定口座で+10万円の利益
- NISA口座で−8万円の損失
この場合でも、税金は10万円に対して約20%課税されます。損失分がなかったかのように扱われるというのが大きな注意点です。
つまり、「リスクの高い商品で大きな損失を出すと、NISAの非課税メリットが逆にデメリットになりうる」ケースもあるということです。
この仕組みを理解して、NISAでは基本的に「安定性と長期保有に向いた商品」を選ぶのが鉄則です。
4. やってはいけないこと(失敗しやすいポイント)

① 高リスク商品を短期目的で買う
NISAは「長期・積立・分散」が基本。短期で一攫千金を狙うようなハイリスク投資は、損失時に非課税のメリットを享受できず、損益通算もできないため大きなデメリットとなることがあります。
② 非課税枠を使わずに放置することへの焦り
年間ごとの非課税枠は、使わなければ消えてしまいます。迷って何も買わないままだと、せっかくの制度が活かせません。という見方もありますが、投資はあくまで余剰資金で行うもの。ご自身の余裕の範囲内で行うことをお勧めします。
③ よく分からないまま商品を選ぶ
特に投資信託は、信託報酬(手数料)が高い商品も存在します。ネットやSNSのおすすめだけで判断せず、自分でも「何に投資している商品なのか」を確認しましょう。
④ 金融機関選びを間違える(銀行窓口でNISA口座を開設しない)
初心者にありがちなのが、銀行窓口ですすめられるままにNISA口座を開設してしまうケース。
銀行では、信託報酬が高い投資信託や、商品選択肢が少ない場合が多く、長期的に見るとコストが重くのしかかる可能性があります。
NISAを開設するなら、**ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)**が断然おすすめです。
理由は以下の通りです:
- 商品ラインナップが豊富(優良インデックス投資信託が選べる)
- 手数料が低い
- ネットで完結するため手続きがスムーズ
初心者の方ほど、「どの金融機関で始めるか」がその後の成果に大きく影響するので、安易に窓口で開設しないよう注意してください。
5. まとめ|NISAは「学びながら投資する」のに最適な制度

NISA制度は、これから投資を始める人にとってとても心強い制度です。
まずはつみたて投資枠を活用して、少額から始めてみるのがおすすめ。
そして大切なのは、「よく分からないけど始める」のではなく、自分で納得しながら運用していくことです。
焦らず、着実に。NISAを味方に、あなたの資産形成をスタートさせましょう。
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