家を建てるとき、太陽光パネルを設置するかどうか――
この問いは、単なる家庭内の経済的判断を超えて、政策・経済・環境といった大きな視点からも考える必要があります。
私自身は、結論から言うと太陽光パネルは設置しませんでした。
その理由を、これから詳しく述べていきます。
東京都の太陽光パネル設置「義務化」という現実

2025年4月から、東京都では新築住宅に対して太陽光パネルの設置が義務化されました。
これは国際的な環境政策の流れ――具体的には2015年のパリ協定を受けたもので、日本も2030年までに温室効果ガスを46%削減する目標を掲げています。
東京都の温室効果ガスの約7割は建物由来。だからこそ、住宅への対策が急がれているというのが都の見解です。
けれども考えてみてください。
選択肢は本当にあるのでしょうか?
「脱炭素」という大義のもと、私たちの住まいの選択は制度により制限されつつあります。
補助金の“行き先”と構造的な問題

設置義務化に伴い、東京都では1kWあたり10万円の補助金が支給されます。
ありがたい制度に見えますが、そもそも太陽光パネルの世界シェア上位は中国企業。1〜9位をすべて中国が占めています。
つまり、日本の税金が中国企業へ流れているという構造があるのです。
コスト回収の現実

たとえば5kWの太陽光パネルを設置した場合、費用は約144万円(2023年)。
東京都の補助金(最大50万円)を活用しても、自己負担は約94万円。
これに対し、売電収入は10年間で約73万円(2023年の売電価格16円/kWh)。
つまり、10年かけても元は取れないケースが多いというのが現実です。
しかも、売電価格は今後7円/kWh程度に下落するとも言われています。
実際に考えるべき「リスク」

太陽光パネルを導入する際には、次のようなリスクも把握する必要があります。
- メンテナンス費用
- 修理・交換の費用(内容によっては100万円以上)
- 鳩害(巣作り)
- 撤去費用の高さとノウハウ不足
- 雨・雪・雹・曇天で発電効率が大幅に低下
- 高温になると逆に発電効率が落ちる(適温は約25℃、夏場は70℃になることも)
- 反射光による近隣トラブル
- 感電リスク(太陽光パネルは直流電気)
また、設置後20〜30年経過した後の撤去コストも見逃せません。
現時点で廃棄に関するノウハウは乏しく、処分費用の全容も不透明です。
「環境に優しい」は本当か?

太陽光パネルにはカドミウムや鉛といった有害物質が含まれており、最終的には埋立処分になると言われています。
導入当初は「環境に優しい」とされた太陽光ですが、2040年頃に廃棄問題が顕在化すると予測されており、「次世代へのツケ」になっていないでしょうか?
メガソーラーと自然破壊

全国各地で広がるメガソーラー。
美しい自然が残る地域――熊本の阿蘇、北海道の釧路湿原などでも、太陽光パネルの大規模設置により景観・生態系の破壊が進んでいます。
特に問題視されているのが、外国資本による土地取得と開発です。
計画性に欠ける工事、環境配慮の薄さによって土砂災害や河川の氾濫が起きている地域もあります。
設置した企業が、パネル廃棄まで責任を持つのか――その保証はありません。
電磁波の健康影響も懸念材料

太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器からは、微弱ながら電磁波が発生します。
今のところ大規模な健康被害は報告されていないものの、感受性の高い人が不調を訴える例もあることは事実です。
例えば、頭痛や睡眠障害、めまいといった症状が報告されており、「電磁波過敏症」と呼ばれる状態も存在します。
結論:視野を広げて考えるべきとき

太陽光発電を個人レベルでどう捉えるか。
「光熱費の節約になるか?」「補助金は出るか?」といった話にとどまらず、
- 国のエネルギー政策
- 税金の使われ方
- 自然環境の保護
- 次世代に残す社会インフラ
こうした広い視点での再考が求められているのではないでしょうか?
太陽光発電は、果たして本当に「未来志向のエネルギー」なのか?
今一度、立ち止まって考えるタイミングにきているように思います。

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