はじめに

コロナ禍を機に、SNSやYouTubeでは住宅に関する情報が飛躍的に増えました。間取りや性能、価格比較など、あらゆる情報が手に入る時代。でも、それらをどう取捨選択するかは、**「自分たちが何を大切にするか」**という価値観にかかっています。
私たちは今、注文住宅を建てるために設計打ち合わせを進めています。
今日は、そんな私たちが**最初に決めた「家づくりの芯」**について綴ってみます。
家づくりの芯とは?─

注文住宅は、自由度が高いからこそ「迷い」も多くなります。
そこで私たちは、ブレない基準として次の3つを芯に据えました。
- 現実的な予算を最初に決めること
- 信頼できる工務店・設計士と歩むこと
- お金の使い方に“納得感”を持つこと
特に「誰にお願いするか」は、その後の設計・施工・仕上がり、すべてに影響します。
住宅は「人と人との信頼関係」で完成度が決まると感じています。
「上手なお金の使い方」は難しい

日々の生活でも「使う・貯める・増やす」のバランスは難しいですが、家づくりではそれが一層顕著です。
私たちが意識したのは、「何にお金を使うと心が豊かになるか」という視点でした。
- 誰かの幸せのために使うお金
- 信頼できる相手に支払う対価
このようなお金の使い方は、時間を経て自分に返ってくるものだと信じています。
「価格の裏側」にあるものを知る

住宅の価格には、目に見えないコストがたくさん含まれています。
- 優れた施工技術
- きめ細かい現場対応
- 打ち合わせの工数
- 保証やアフターサービス
表面上の金額が安くても、何かが省略されていることも。
「本当に安い」とは何かを問い直すことが大切です。
消費者の“見る目”

今の時代、SNSやクチコミによって一部のサービスが“過剰評価”されがちです。
でも、長い目で見て良いものが選ばれる社会になるには、消費者一人ひとりの「目利き」が欠かせません。
良い工務店や職人を育てるのは、結局は「誠実に選ぶ人たち」なのだと思います。
「三方よし」の精神を

「三方よし」という言葉があります。
売り手よし・買い手よし・世間よし
これを現代の家づくりに置き換えれば──
- 自分(施主)にとってよし
- 相手(工務店・職人)にとってよし
- 社会や未来にとってもよし
この3つを大切にできる選択こそ、後悔しない家づくりの本質だと思います。
私の友人に、某大手ハウスメーカー(積◯ハウス)の設計士をしていた人がいます。
彼女は、SNS時代の顧客対応の難しさに悩み、結局その仕事を辞めてしまいました。
というのも、SNSで見た理想の家を「これと同じようにしてほしい」と細かく求められるものの、大手メーカーの仕組みでは柔軟に対応しきれないことが多かったからです。
ハウスメーカーは、工業化された住宅生産を得意とする企業であり、オーダーメイドの自由設計には限界がある体質です。設計やマネジメントを行う会社ではあっても、実際の施工は下請けの工務店が担っています。この役割分担を理解しておかないと、「話が違う」となりやすく、双方にとって不幸な結果となってしまいます。
だからこそ、家づくりの根本にある「三方よし」──作り手・買い手・世間、すべてが幸せになれる精神を、今あらためて見直すべきだと感じます。
優良な工務店は

ランキングや広告でよく見かける工務店が“本当に良い”とは限りません。
広告費をかけずに、地元でコツコツと信頼を積み上げている工務店もたくさんあります。
ランキングサイトに載っているからといって、それが必ずしも“腕のいい工務店”というわけではありません。というのも、ランキングに掲載されるには、宣伝広告費がかかるのが一般的です。その費用は当然、どこかで回収されるため、結果的に住宅価格にも影響していることがあります。
これは決して悪いことではなく、広告というものはそういう仕組みで成り立っているという理解が大切です。ランキングは、「広告にどれだけ資金をかけられるか」という企業の体力を反映している面があることを知っておくと、情報に振り回されず、自分の価値基準で工務店を選べるようになるでしょう。
私たちが選んだ工務店も、ブログから自力で見つけました。
情報があふれる今だからこそ、**「情報の深さ」と「出会いの質」**を大切にしたいですね。
おわりに

家づくりを通じて、私たちは「信頼」「納得」「価値観」という言葉の重みを学びました。
注文住宅は、単なるモノづくりではなく、人生の哲学が反映されるプロジェクト。
これから家づくりを始める方が、価格や機能だけでなく、“自分たちらしさ”という芯を大切にできる家づくりになりますように。
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