
ソフトバンク社長の孫正義さんが、自身のおでこの薄毛に対して
「髪が後退しているのではない。私が前進しているのだ」
というユーモアを言ったとか言わないとか。

薄毛は老化現象であり、仕方ありません。
さて、実際にはこれはただのユーモアですが、
一方で、同じような言い回しで視点を変えるべきことはいくつかあると思います。
僕が最近思うのは、日経平均の上昇を見て
「株が上がっているのではなく、現金の価値が目減りしているのだ」
と思うことです。

これが真実である、と言うつもりはありません。
ですが、そのような視点で物事を考えることは大事です。
物事は多面的に見るべきであり、
一つの解釈や意見を盲信するのはよくありません。
広い視野と鋭い視点を持って、
物事を捉えていきたいものです。

ここから先は、その「視点を変える」という話を、もう少しだけ言語化してみます。
たとえば、
- 「薄毛=後退」ではなく「自分が前進している」
- 「株価=上昇」ではなく「通貨の購買力=下落している(可能性がある)」
どちらも、“現象に貼り付けたラベル”をひっくり返して、見ている座標系を変えるユーモア(と知性)だと思います。
ユーモアって、単なる笑いじゃなくて「別解の提示」なんですよね。

日経平均の例も、同じ上昇に見えて、見方を変えると「上昇」の意味がガラッと変わります。
せっかくなんでここを深掘りしていきましょう。

同じ上昇でも、全然ちがう「上昇」

- 名目上昇:数字は上がっている(チャートで見える世界)
- 実質上昇:インフレ調整後でも価値が増えている(生活の実感に近い世界)
- 為替込みの上昇:円安で外貨換算するとどう見えるか(海外投資家の世界)
- 構成要因の上昇:EPS増か、PER上昇か、金融緩和か、需給か(原因の世界)
「現金の価値が目減りしている」という視点は、特に
名目 vs 実質 と 通貨(円)の購買力 に焦点を当てる座標系です。
この座標系を一度持つと、株だけじゃなくて、給与、家賃、食品、税、預金…いろんなものの見え方が変わる。
だからこそ“投資の話”は、最後は“世界の見方”の話に繋がっていく。

ただし、盲信の置き換えにはしない
ここが一番大事で、
「これが真実だ」と決め打ちしないこと。

“反転した見方”は、盲信の置き換えじゃなくて、
盲信から距離を取るための道具です。
正しさの一本勝負ではなく、
複数の解釈を並べたうえで、状況に応じて「採用する視点」を選ぶ。
その姿勢が、結局いちばん強い。
視点反転が効く場面は、日常にもある
同じノリで、世の中の多くは言い換えできます。

- 失敗した → 実験でデータが取れた(次の精度が上がる)
- 時間がない → 優先順位が浮き彫りになった(捨てる勇気の話)
- 飽和している → 参入障壁がある(勝ち筋があるなら守られる)
- 競争が激しい → 市場が大きい(需要があるから競争になる)
- 批判された → 期待値がある(無関心より前進材料がある)
もちろん、これらも全部が万能の真理ではありません。
でも、別の角度の光を当てることで、現象の輪郭が立体になります。

結局、髪が後退しているのか、世界が進んでいるのか。
株が上がっているのか、現金が薄まっているのか。
答えを一つに固定しないまま、
複数の視点を持ち替えながら進む。

それが「広い視野と鋭い視点」を同時に持つ、ということなのかもしれません。



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