本質を考える医師の視点から
皆さんは、住宅選びにおいて何を一番重視していますか?
私は実際に注文住宅を建て、今ではとても満足して快適な生活を送っています。
建築中には多少の不安もありましたが、「こだわる部分」と「こだわらない部分」を明確にしたことが、満足のいく家づくりにつながったと感じています。
今回は、注文住宅を選ぶ上で本当に重要なことを、本質を重視する視点から考察してみました。
はじめに

コロナ禍を契機に、私たちの暮らしや購買行動は大きく変化しました。
特にSNSの普及は、住宅選びにも大きな影響を与えています。InstagramやPinterestでは、洗練されたデザイン住宅が多数紹介され、それらを参考にする人も増えています。
しかし、その流れに対して私は少し違和感を覚えています。
SNSがもたらす影響

SNSの影響で、おしゃれで理想的な家のイメージが膨らみやすくなりました。
多くの人が「一生に一度の買い物だから」と、見た目や流行にこだわる傾向があります。
しかし、SNSで紹介されているような美しい住宅は、建物だけで1億円を超えることもあり、実際にはごく一部の高所得層向けであるケースも少なくありません。
現実的には、誰もがそのような家を建てられるわけではないのです。
見た目だけでなく、もっと本質的な価値に目を向けるべきだと感じています。
本当に大切な4つのポイント

私が注文住宅において重視したのは、次の4つの要素です:
- 長持ちであること
構造材や断熱材の選定、メンテナンスのしやすさなど、長く安心して暮らせるかどうかを重視しました。無垢材や高性能な断熱材など、見えない部分にこそ投資すべきです。 - 快適であること
断熱性能や気密性を高め、年間を通じて快適に過ごせることを大切にしました。自然光の取り入れ方や風通しも、暮らしの質に大きく影響します。 - 予算内であること
家づくりでは理想を追い求めすぎると予算オーバーになりがちです。私は最初に予算をしっかり設定し、その中で優先順位をつけて取捨選択することで、無理なく納得できるプランにまとめました。 - おしゃれであること
やはり、毎日目にする空間は自分の気分を上げてくれるデザインであってほしいものです。SNSで見たものをすべて取り入れる必要はありませんが、自分なりの「好き」を大切にしました。
選択肢が増えた今だからこそ

SNSやネットを通じて、情報や選択肢が無数に手に入る時代です。
しかし、選択肢が多いからこそ、「自分にとって何が本当に大切か」を見極める力が求められています。
ランキングでは見つからない工務店の魅力
実は、優良な工務店はランキングにはあまり登場しません。
というのも、ランキングに載るには広告費がかかり、その費用は建築費に反映されることもあるからです。
ランキングは企業の資金力を示す一側面にすぎない場合もあります。
ですから、情報の見方も本質的に考えることが大切です。
「三方よし」の家づくりを
友人に、某大手ハウスメーカー(例:積◯ハウス)の設計士をしていた方がいます。
SNSの影響で顧客の要望が非常に細かくなる一方で、工業化住宅を基盤とするハウスメーカーの仕組みでは、それに対応しきれないことが多くなり、彼女は苦悩の末に職を離れました。
ハウスメーカーはあくまで設計とマネジメントを担う企業であり、実際に建てているのは下請けの工務店です。
この構造を理解しておくと、トラブルも減り、期待と現実のギャップも小さくなるでしょう。
「三方よし」──作り手、買い手、そして社会、すべてにとって良い家づくりを意識したいものです。
おわりに

家は、一生に何度も建てられるものではありません。だからこそ、見た目や流行に流されるのではなく、自分たちにとって何が必要で、何が大切なのかを見極めることが何よりも重要です。
こだわる部分とこだわらない部分のメリハリをつけることで、後悔のない家づくりができると、私自身の経験から強く感じています。
>> 併せて読みたい
コメント