
自分に言わせれば2つをぐちゃぐちゃまぜて、わかりにくくしただけの商品だと思っていますが、、、
〜“2つの不安”を1つの罠にまとめた商品に注意〜
「高額保険に入っていませんか?」という前回の記事では、**“そもそも医師に生命保険は本当に必要なのか?”**という視点から保険の本質を問い直しました。
今回の記事では、**すでに保険に入りたい/入るつもりの方が陥りやすい“さらに危険な落とし穴”**に焦点を当てます。
それは「変額保険」や「外貨建て保険」「年金保険」といった、保険と投資を一体化した商品です。保険と聞くと“守り”のイメージですが、これらは実はかなり攻めた金融商品。仕組みを知らずに契約してしまうと、高額なコストと期待外れのリターンに苦しむことになります。
◾️この記事で伝えたいこと
- 「保険と投資の合体商品」は、医師のような“高収入で金融知識の浅い層”が狙われやすい
- 販売側が儲かる仕組みになっており、顧客のメリットは非常に限定的
- 投資をするなら証券口座で、保険は最低限を掛け捨てで持つのが基本
- 商品の“万能感”に騙されず、自分の目的に分けて手段を選ぶべき
なぜ“保険+投資”の商品が問題なのか?

医師は高収入です。しかし、その収入の高さゆえに「保険で節税」「お金を寝かせておくのはもったいない」と営業トークを受けやすいという現実があります。
実際にこうした商品を売る保険外交員や銀行窓口の担当者は、「これは節税にもなって、資産形成もできて、一石二鳥ですよ」と言ってきます。
しかしその裏には、
- 年間2〜3%を超える高額な手数料(しかも長期で払い続ける)
- 運用成績が悪ければ元本割れもあり得る
- 外貨建てなら為替の影響も受ける
- 解約時期によっては解約返戻金が大幅に減る
というリスクが隠れています。
よくある営業トークに潜むワナ
❌「老後の資産形成にもなりますよ」
▶︎ 老後資金の積立てが目的なら、iDeCoやNISA(新NISA)で運用するほうが税制上もコスト面でも圧倒的に有利です。
❌「死亡保障もついてるので一石二鳥です」
▶︎ 生命保険の役割は万一のときの経済的備え。保障と投資は分けて考えるのが基本原則です。一体型は「どちらも中途半端」になりがちです。
医師が狙われやすい理由
- 高収入=高額契約を結べる
- 社会的信頼が高く、営業側も安心して話しかける
- 「専門職=賢い」と見られがちだが、金融の専門家ではない
さらに医師は日々の仕事が忙しく、長時間をかけて自ら投資商品を調べる時間がないという現実もあります。これが「まじめな人ほど損をする」構造の温床です。
正しい選択とは?

- 保険は掛け捨てで最低限
- 自分が死んだら困る人がいるか?という視点で考える
- 家族の生活費、教育費、住宅ローンなどの必要額をカバーできれば十分
- 投資は証券口座で行う
- iDeCoや新NISAを活用
- 運用コストは信託報酬0.1〜0.3%程度のインデックスファンドが主流
- 途中解約リスクなし。いつでも売却可
保険と投資を分けるという常識を持とう

「人生で必要なのは、“保険”と“投資”ではなく、保険と資産運用です」
これを混同した瞬間に、コストの高い・不透明な金融商品に足を取られます。営業トークに惑わされず、「これは誰が得する商品か?」と冷静に考える習慣を持つことが、マネーリテラシーの第一歩です。
まとめ
- 変額保険や外貨建て保険は、保険と投資の“二兎を追って一兎も得られない”商品
- 医師は営業のターゲットになりやすい
- 本当に必要な保険は、最低限の掛け捨てのみ
- 資産運用は、自分の証券口座で低コストに行うべき
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