「NISAはなんだか怖い」
「ネット銀行やネット証券って、やっぱり不安…」
そんな声をよく耳にします。ですが、私はこう思います。
みなさん、“箱”を恐れていてどうするのですか?
ネット証券やネット銀行という「場所」に対する漠然とした不安。
しかし、それは実態のないイメージにすぎません。
お金は「物質」ではなく「信用」

現代の貨幣制度において、私たちが扱っているお金の大半は、紙幣や硬貨といった実物資産ではありません。
これは「信用創造(credit creation)」という金融の仕組みによるものです。
実際、流通している現金は全体の約1割程度。
残りの9割以上は、銀行の帳簿やデジタルデータ上に存在する「信用貨幣」です。
つまり、私たちは普段から“見えないお金”を使って生活しているのです。
にもかかわらず、「ネットだから不安」と感じるのは、仕組みを正しく理解していないことが原因かもしれません。
ネット証券は危ない?――それは誤解です

「ネット証券は倒産したらお金が戻ってこないんじゃないか」
そんな不安もよく聞きますが、これは誤解です。
日本の証券会社は、金融商品取引法の下で金融庁の厳格な監督を受けています。
さらに、投資家の資産は証券会社の資産とは分けて管理(分別管理)されており、万が一の破綻時でも、顧客資産は原則として保全されます。
一定の条件下では「投資者保護基金」によって最大1,000万円まで補償される制度も整っています。
つまり、ネット証券だからといって特別リスクが高いというわけではありません。
NISAは“国策”としての投資支援制度

NISA(少額投資非課税制度)は、政府が「貯蓄から投資へ」という流れを後押しするために作られた制度です。
NISA口座を通じた投資は、売却益や配当に対して一定期間、税金がかかりません。
さらに、対象となる金融商品も、上場株式や投資信託など透明性の高いものに限定されており、制度設計そのものがリスク軽減を前提にしています。
これほど“守られた環境”があるにもかかわらず、「怖いからやらない」となるのは、極めてもったいない判断ではないでしょうか。
恐れるべきは「仕組み」ではなく「無理解」

人は未知のものに対して不安を抱きます。
でも、それは「知ることでしか乗り越えられない不安」です。
お金とは本来、目的を成すための手段でしかありません。
その手段を「漠然とした不安」だけで遠ざけてしまうことこそ、本当のリスクかもしれません。
せっかくの制度やツールを活かすも殺すも、自分次第。
だからこそ──
仕組みを理解し、自分の意思で選択し、行動することが、富への第一歩になるのです。
コメント