
じゃあ保険はいらないかって話ですが、保険は必要です
ただし、必要な人と不要な人がいて
必要な人に必要なものもある程度絞られてきます
「高額保険に入っていませんか?」という前回の記事では、“安心”を買うつもりで、実は損をしてしまっているケースについてお伝えしました。今回はその続きとして、「では、必要な保険とは何か?」という本質的な問いに向き合ってみたいと思います。
1. 生命保険の目的を再確認しよう
後輩医師が独身でありながら生命保険に加入していたことがありました。私は彼にこう尋ねました。
「先生が死んだら、そのお金は誰が受け取るの?」
生命保険の本来の目的は、「あなたが亡くなったときに、困る人を守る」ことです。つまり、誰かを経済的に養っている立場にある場合に、必要になる保険です。
逆に言えば、
- 独身
- 扶養家族なし
- 借金なし
このような状況の人にとって、生命保険は原則として不要です。
2. “不安”をお金で解決しようとすると騙されやすい
「人生の節目だから保険に入りましょう」
「これからは将来のことも考えないといけませんよ」
こうした文言は、漠然とした不安につけ込むセールストークです。
たとえば「結婚を機に生命保険に加入する」という人は多いですが、よく考えてみてください。その保険、実際に何のためですか?
それは「婚約指輪は給料の3ヶ月分」と同じくらい、広告によって刷り込まれた幻想かもしれません。
3. 必要最低限の保障でいい
私は、最低限の掛け捨て保険に加入しています。
費用は月数千円。十分すぎるほどです。
医師という職業柄、「収入が高いから、もっと手厚い保険に入るべきだ」と営業されることもあります。しかし、収入が高いからといって保険料を多く払う必要はまったくありません。
保険は、万が一のリスクに備えるための手段であって、「安心感を買う商品」ではないのです。
4. 必要な保険の考え方
以下の条件に当てはまる場合のみ、生命保険を検討する価値があります:
- 養うべき配偶者や子どもがいる
- 住宅ローンなど、残された人に負担がかかる債務がある
- 自営業やフリーランスで、社会保障の手薄さを補う必要がある
逆に、
- 十分な貯金がある
- 実家に住んでいる
- 扶養義務がない
このような状況では、保険は「今、必要ない」と割り切って構いません。
5. おわりに|“知識がある人”が選ぶ保険とは?
最後にお伝えしたいのは、「保険に入っている=備えている」ではないということ。
むしろ、正しく備えている人ほど、
- 必要な時に
- 必要な保障を
- 最低限のコストで
選んでいます。
情報弱者ほど、無駄に高額な保険料を払い続ける仕組みになっているのです。
医師として、そして自分の人生を守る当事者として、**「不安につけ込まれない力」**を持ちたいものです。
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