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【生】投資初心者の学び 新NISAは本当に罠なのか? トランプ関税ショックと“陰謀論”への冷静な視点

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NISAのキャラクター

本質を考える医師です

2024年にスタートした新NISA制度。この制度の恩恵を受けて多くの個人投資家が株式市場に参加し始めました。しかし先日、トランプ氏の関税発言をきっかけに市場は一時大きく動揺し、多くの個人投資家、特に初心者層が“狼狽売り”に走ったように見えました

そしてそのタイミングで、「新NISAは陰謀だ」「やはり制度には裏がある」といった声が、SNSやYouTube上で急増しています。本当にそうなのでしょうか?


■ 新NISAは“ただの箱”である

まず大前提として、新NISAは金融商品ではなく税制優遇制度です。要は「非課税枠」という“箱”であり、そこに何を入れるかは投資家の判断です。

この制度を「資産を搾取する罠」と語る人がいますが、それは制度の設計意図や投資の仕組みそのものへの誤解に基づいていることが多いように感じます。もちろん、日本のタンス預金を市場に引き出す意図が政治や金融業界にあるのは事実かもしれません。しかし、それは資本主義社会において自然な流れであり、必ずしも「悪意のある策略」ではありません。


■ トランプ関税ショックは一過性の波である可能性

トランプ前大統領の「関税再導入」発言は、市場に不安をもたらしました。特に日本株にとっては、輸出企業を中心に影響を受ける材料です。

しかし、**このような発言による市場の乱高下は過去にも何度も起きてきました。**株価は短期では感情で動きますが、長期では企業の価値と経済の成長に回帰する傾向があります。つまり、一時的な調整で投資戦略を根本から疑う必要はないということです。


■ 「陰謀論的な見方」が支持されやすい理由

ブラックロックのCEOと当時の岸田首相の会談など、事実として確認されている出来事をもとに、「裏で何かが動いている」と感じたくなる気持ちは分かります。ですが、その“事実”と“解釈”を混同するのは危険です。

政治家が世界の大手資産運用会社と対話を持つのは、むしろ自然な外交の一部です。それを過剰に「搾取の準備だ」と解釈するのは、冷静な事実認識とは言えません。


■ トマ・ピケティが示した「資本主義の構造」は崩れない

経済学者トマ・ピケティが示した「r > g(資本収益率 > 経済成長率)」という考え方は、今の社会構造の本質を突いています。つまり、労働よりも資産を持つことが富を生む社会であり、これは一朝一夕には変わりません。

だからこそ、制度に乗らずに資産形成を避けることこそ、長期的に損をする選択になる可能性があります。


■ 株式市場は“管理されている”という視点

現在の金融市場は、中央銀行(FRBや日銀など)と密接につながっています。金利政策や通貨供給量を通じて、**市場が完全に“自由に動く”ことはほぼありません。**ある意味で、管理された資本主義とも言えます。

こうした構造の中で、株式市場からお金が完全に引き上げられるというのは考えにくく、今回のような急落もあくまで一時的なノイズと捉えるのが妥当でしょう。


【まとめ】短期の揺れに飲まれるな。視点は「構造」と「長期」に置こう

トランプ発言による市場の混乱は、一時的なものにすぎません。それを「制度が罠だった」と短絡的に結論づけるのは、本質を見失うことにつながります。

新NISAはあくまで「器」であり、それをどう使うかが重要です。
そしてこれからの社会で資本を持たないことのリスクは、過去よりもさらに大きくなっています。

「制度を疑う前に、構造を理解する」
この視点を持つことが、これからの資産形成において非常に大切になると私は思います。

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