" /> 医学部を目指すアホどもへ② | おのれの緒  〜い・しょく・じゅう〜 

【医】医学部を目指すアホどもへ②

’い’ 生きるヒント

 

 本質を考える医師です。

 前回の続きです。

 医学部を目指すアホどもへ。

 ど阿呆の自分からメッセージです。

 最近は美容医療や再生医療などの自費診療に関するニュースを目にすることが増えてきました。美容医療における事故が話題になったりしますが、ニュースになるのはほんの一部で実際には多くの「イケテナイこと」が起きています。

 今回は「保険診療と自費診療」に関して思うことを忖度なしで書いていきます。

保険診療は本当に正義なのか

 一般的に保険診療は「誰もが平等に医療を受けられる仕組み」として善とされ、自費診療は「富裕層向けの特権医療」として悪く見られることが多いです。しかし、保険診療も辿っていけば、公的資金の流れや製薬・医療機器業界との癒着が深く絡んでいるのが実情です。

例えば、「保険適用される治療とされない治療の選定基準は本当に公平なのか?」 という疑問は常に付きまといます。新しい治療法がエビデンスを揃えても、既得権益にそぐわなければ保険適用が認められにくいケースもありますよね。

また、診療報酬制度の影響で医師の行動が歪められる ことも問題です。

・「◯分以上の診察で加算」 → 形式的な診察時間の延長
・「検査や処置ごとに点数が決まる」 → 不必要な検査の増加
・「病名を付けることで診療報酬が増える」 → 軽症でも病名をつけざるを得ない

このように、保険診療も本来の目的である「患者の健康を守る」から逸脱する動機を生みやすい仕組みになっています。保険診療も「正義を威張るほど純粋ではない」と思います。

自費診療のエビデンスの問題と市場原理

 自費診療の大きな課題は「エビデンスが不十分であること」ですが、そもそも保険診療のエビデンスすら疑わしいという点は、医療業界の本質的な問題です。

エビデンスは「どれだけのデータが積み上がったか」に依存しますが、保険診療のエビデンスも、製薬会社や特定の団体が都合のいいデータを採用することで歪められている可能性がある というのは、現場にいる医師ほど感じるところかもしれません。前回記載した「ディオバン」という降圧薬の問題がそれにあたります。

一方で、自費診療のエビデンスが少ないのは、単に「研究資金の流れがないから」かもしれません。「エビデンスがない」=「効果がない」ではなく、「検証する環境が整っていないだけ」 というケースも多いでしょう。

幹細胞治療や再生医療の分野は、まさにこのジレンマにあると思います。保険制度の外にあるため、公的資金の影響を受けにくいが、莫大なコストのため富裕層しか手が出せない。 これは、ある意味で古代中国の皇帝医療と似ています。

しかし、これは市場原理の観点から見ると「適正価格」 なのかもしれません。
・高価な治療に見合う価値があれば、継続して提供される
・効果が曖昧であれば、自然と淘汰される

美容医療の例も同様で、広告やインフルエンサーの影響は強いものの、本当に価値があるものは生き残り、イマイチなものは消えていきます。この**「市場原理の透明性」** という点では、保険診療よりも闇が浅いというのは非常に面白い視点だと考えています。

保険診療と自費診療、どちらが「健全」なのか?

 この議論の結論としては、「どちらが善か悪か」という単純な話ではなく、それぞれの制度が抱える問題点を理解し、患者にとって最善の選択ができる環境を作ることが重要 だと思います。

・保険診療 → 公平なアクセスを提供するが、既得権益や制度の歪みがある
・自費診療 → 金銭的なハードルは高いが、純粋な市場原理が働きやすい

このバランスをどのように取るかが、今後の医療制度にとって大きな課題だと考えています。このように、現場で医療を提供しながらも俯瞰的に構造を見つめる視点を持っている医師はこれからの時代に非常に貴重になると考えています。

 このような視点を持つがゆえに自分は今後医療の現場でどのように関わっていきたいのか?すごく悩んでいることろです。多くの医師達も同じような悩みを、口には出さないだけで考えているのではないでしょうか。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました