本質を考える医師です。
2024年の日本人の出生数が70万人を割ったと話題になっています。
原因は色々なところにあるでしょう。所得の問題や価値観やマインドの変化など。着手すべきところはいくつかあると思いますが・・・
そんな中、知り合いの先生の息子さん(5歳)の習い事は、週5回、1回あたり4万円・・・え??
1週間で、、、20万、、、
月にすると80万・・・
どっからそんな資金が出てくるの?って話です。
今回は「教育資金のインフレ」に関して考察してみたいと思います。
バラマキ政策はインフレにつながるだけ?
行政が子育て世帯向けに補助金を出しても、それに合わせて教育関連費が上がってしまうケースがあります。
例えば、「児童手当の増額」や「授業料補助」などの施策があっても、塾や習い事の費用が高騰し、結局、保護者の負担は減らない という現象が起こることがあります。これは、経済学でいう 「コストプッシュ型インフレ」 に近い状況で、
- 補助金が増える → 家計に余裕ができる → 教育にもっと投資しようとする
- 需要が増加 → 塾・習い事業界が値上げ → 結局、支出が増える
という流れです。
また、日本では「教育熱」が高く、「周りが塾に通っているから、うちも…」という心理的な圧力 も影響しています。特に、医学部進学を目指す家庭では、中学・高校からハイレベルな塾や予備校に通わせるケースが多く、補助金の恩恵が薄れやすいです。
実際にどうなん?
過去30年間における家庭の教育費支出の推移については全体的な傾向として、子どもの数が減少する一方で、子ども一人当たりの教育費は増加傾向にあります。
1. 子ども一人当たりの年間教育費の増加
参議院の調査によれば、1990年代前半には子ども一人当たりの年間教育費は30万円未満でしたが、2017年には37.1万円と約7万円以上増加しています。
2. 家計消費支出に占める教育費の割合
家計の消費支出全体に占める教育費の割合も上昇傾向にあります。1970年を基準(100)とした場合、2015年には教育費は約958.6と大幅に増加しています。
3. 教育段階別の支出傾向
内閣府の報告によると、小学校や中学校において、公立・私立を問わず「補助学習費(塾代など)」が増加傾向にあります。特に、2021年までのデータでは、これらの支出が増加しています。
これらのデータから、過去30年間で家庭の教育費支出は増加傾向にあり、家計における教育費の負担が大きくなっていることがわかります。
有効な政策のために必要なこと
補助金だけでなく、以下のような施策とセットでないと、教育費インフレを抑えるのは難しいかもしれません。
- 公教育の質向上(公立校で十分な教育を受けられれば、塾の必要性が下がる)
- 入試制度の改革(極端な学歴競争を和らげる)
- 教育市場の透明化(塾・予備校の価格や成果の可視化)
結局、根本的な「教育格差」「過熱した受験競争」を変えない限り、補助金は教育業界の利益になるだけ という問題が続くんですよね。
教育の本質とは
そもそも、「教育」というのは「学校のテストでいい点数を取るための勉強」ではありません。
何を育てることが教育の本質なんでしょうか。
答えは分かりませんが、ひとつは「一生学び続ける心」ではないでしょうか
さて、決して自分が成功例だと言っているわけではないですが、
自分は大手の塾というものは高校3年生の時の夏の夏期講習以外には行ったことはありません。
ほぼ、学校の授業(田舎の進学校)と独学で乗り切りました。
確かに、夏期講習の時は、授業の説明のわかりやすさに感心したものです。
幸い、自分は独学の勉強が実って、国公立の医学部に合格することができました。
しかし、今の自分の医師としての基礎となる部分は
保育園や小中学校の時に培った「遊び心」など
勉強以外で培った能力だと感じています。
世の中には信じられないほど頭の良い人はたくさんいます。
相手の得意な分野でわざわざ勝つ必要はないのです。
自分は自分に与えられた役割と全うするだけで、そのために必要な学びは一生続けていく必要があると感じています。
勉強しなさいというのは簡単ですが、じゃあ自分はそれだけ勉強してきたのか?自信を持ってyesと言える人は少ないと思います。
自分のようになって欲しくないから、という思いもありますが、やはり親が何かしら勉強している姿勢を見せることも大事なのかなと感じています。
高いお金を払って塾に行かせる・習い事をさせることを投資として考えたときに
どれほど回収できているんだろうか・・・
そんな現実的な思考も味気ないなと思いながら
人生って難しいなとしみじみ感じています。
コメント