本質を考える医師です。
人生において重要な行動の一つとして「断捨離」があると思います。「離れる」という言葉には一見ネガティブな印象があるかもしれませんが、本質的には新しいものを迎え入れるための大切なプロセスです。断捨離のように「離」を使った少し似ている言葉に「守破離」があります。
「断捨離」と「守破離」の共通点として、どちらも成長のステップとして「離」を含んでいる点が挙げられます。守破離の「離」は、型を破り、自分のスタイルを確立する段階。断捨離の「離」も、不要なものを手放し、本当に大切なものを見極める行為です。
そして「離れる」ことは、単なる別れではなく、新たな運気や可能性を呼び込むためのスペースを作ることでもあります。
「離れることで得られるもの」
新しい可能性・チャンス
何かを手放すことで、新しいものが入るスペースが生まれます。例えば、不要な仕事や人間関係から離れることで、新しい仕事のオファーや価値観の合う人との出会いが増えることがあります。
精神的な自由と軽やかさ
人間関係や物に執着すると、それがストレスや負担になることもあります。断捨離をすると心が軽くなり、気持ちがスッキリします。これは物理的なスペースだけでなく、精神的なスペースを作る効果もあります。
自分の本質に気づける
余計なものをそぎ落とすことで、「自分にとって本当に大切なものは何か?」が見えてきます。ミニマリストの考え方に近いですが、物だけでなく人間関係や価値観にも適用できます。
決断力が鍛えられる
「離れる」という選択をするには勇気が必要ですが、一度決断すると、次の決断がしやすくなります。優柔不断な人でも、不要なものを手放す経験を積むことで、自分の選択に自信が持てるようになります。
運気の好転
風水などでも「不要なものを手放すと運気が上がる」と言われていますが、これは心理的にも理にかなっています。不要なものに囲まれていると、エネルギーが停滞しがちですが、離れることで流れが良くなります。
成長と進化
守破離の「離」にも通じますが、ある段階を卒業することで、新たなステージへ進めます。例えば、ずっと同じ環境にいると成長が止まることがありますが、思い切って離れることで、新たな挑戦ができるようになります。
執着からの解放
「手放すこと=損失」と考えがちですが、実は逆で、「執着を手放すこと=自由を得ること」でもあります。過去の成功体験や失敗にとらわれず、前を向く力がつきます。
変化を嫌う心が邪魔をするけど
多くの人は変化を嫌う傾向にあると思います。変化があるということはまた新しい何かに適応しなければなりません。そこにはストレスがかかるからです。
また変化を決断することも嫌うと思います。自信がなかったり、自分で責任を取りたくないからです。あるいは人に批判されることを気にしてなのかもしれません。
多くの人は**「変化=リスク」と捉え、無意識のうちに現状維持を選びがちです。その背景には、ストレス・自信の欠如・責任回避といった心理的な要因**が大きく関係しています。
なぜ人は変化を嫌うのか?
- ストレスがかかる
- 新しい環境に適応するには、エネルギーを使います。人は慣れた環境にいるほうが楽なので、変化を避けようとします。 - 自信がない
- 変化には「自分にできるのか?」という不安がつきものです。自己肯定感が低いと、失敗を恐れて動けなくなることがあります。 - 責任を取りたくない
- 変化を選ぶと、その結果にも責任を持たなければなりません。誰かや環境のせいにできる「現状維持」のほうが、心理的に楽なこともあります。 - 現状維持バイアス
- 人は無意識のうちに、今の状態を続けることが「安全」と考えてしまいます(心理学でいう「現状維持バイアス」)。 - 失敗への恐怖
- 変化には成功もあれば失敗のリスクもあります。「失敗したらどうしよう」と考えると、行動できなくなります。
変化を恐れることのリスク
しかし、「変わらないこと」もまたリスクです。現状維持は一見安全に思えますが、チャンスを逃すリスクも同時に抱えています。
- 時代の流れについていけなくなる(変わらない会社が衰退するのと同じ)
- 成長の機会を失う(新しいことに挑戦しなければスキルも伸びない)
- 気づいたら悪い方向に向かっている(現状維持に見えても、実は後退していることがある)
変化を受け入れるための考え方
では、どうすれば変化をポジティブに捉えられるでしょうか?
- 小さな変化から始める
- いきなり大きく変えようとすると負担が大きいので、まずは小さな行動から始める(例:いつもと違う道を歩く、新しい本を読む、1年以上着ていない服を捨てるなど)。 - 「変わること=進化」と考える
- 変化を「失敗のリスク」ではなく、「より良くなるためのプロセス」と考える。 - 失敗も成長の一部と捉える
- どんな成功者も、最初は試行錯誤を繰り返している。失敗を恐れずに「学び」として活用する。 - 「現状維持こそリスク」と認識する
- 変わらないことのデメリットを意識することで、変化の必要性を実感する。
まとめ
「断捨離」は新しい運気を呼び込むため、物事を好転させるために非常に大事な行動であると考えています。ただ同時に、ストレスや恐怖心、現状維持バイアスがかかるため、なかなかそのチャンスを逃してしまうことも多くありません。
まずは小さな決断から始めていくのが良いのではないでしょうか?今年度ももう終わりを迎えようとしています。春が訪れます。この機会に物質的な断捨離から始めてみても良いかもしれませんね。
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