" /> 本当に良いものを消さないために | おのれの緒  〜い・しょく・じゅう〜 

【生】本当にいいものを消さないために

’い’ 生きるヒント
無垢の木材で作られた家

 

 本質を考える人です。

 もうすぐ新居が完成するのですが、設計士さんはInstagramなんかもやられていて人気のある方でご縁もあり、フォローさせていただいております。

 先日、ストーリーズで近くの工務店の自己破産申請に関して意見を述べられていました。

 一番の被害者はそこで注文住宅をお願いした消費者ですが、そこにはもっと真剣に考えなければならない社会の構造があるのかなと思いました。

踏み躙られた想い

 設計士さんは、もちろん家づくりが大好きで、一生に一度になることの多い家づくりへの想いというのを日々大切にしながら仕事をされていると思います。

 自己破産した工務店さんは、着工して基礎を作ったらそのまま、次の現場では上棟してそのまま、など放置されている現場がいくつかあったようで、、、資金繰りが悪化しているのではないかと界隈では噂になっていたようです

 自分もネットで調べるとおそらくここのことかなというニュースが出てきました。キャッチフレーズは「月々4万円で・・・」という安さを売りにしていました。資材、建材、人件費などいろいろなものが値上がりしている中で、安さで商売をするというのはもはや無理があります。

 

大企業1強の時代なのか

 消費者からするとこのような工務店さんは避けたいと思うのが道理で、でも資金がそこまでなければ安さに釣られてしまいます。でもこういったニュースが流れる中でさらに「大企業は安心」という大企業の一人勝ちの構造がさらに加速していきます。

 いったい日本の中小企業は10年後にはどれだけ残っているのでしょうか??

 日本の中小企業の10年後の生存率は約70%です。つまり、創業から10年後には約30%の企業が倒産または廃業していることになります。

この数値は、中小企業庁が公開している帝国データバンクの企業概要ファイルに基づくデータから得られています。具体的な生存率の推移は以下の通りです:

  • 5年後:82%
  • 6年後:78%
  • 7年後:76%
  • 8年後:74%
  • 9年後:72%
  • 10年後:70%

この生存率は、欧米諸国と比較すると高い水準にあります。ただし、近年の社会経済情勢の変化により、企業の平均寿命は短くなる傾向にあります。

また、2025年問題として知られる経営者の高齢化や後継者不足の問題により、今後さらに企業生存率が低下する可能性があることも指摘されています。

 

中小企業の生存率はどうして低いのか

 日本の中小企業の生存率が低下している主な理由は以下の通りで

  1. 人手不足と後継者問題
    少子高齢化により、労働力不足が深刻化しています。特に中小企業では人材確保が困難になっています。また、経営者の高齢化が進む一方で、後継者が決まっていない企業が多く、事業継続の危機に直面しています。
  2. 市場規模の縮小
    国内市場の縮小により、多くの中小企業が影響を受けています。市場変化に対応するため、製品・サービスの変革や顧客層の見直しが求められています。
  3. 資金繰りの悪化
    経営者の誤った判断や財務管理の不備により、資金繰りが悪化し、企業存続のリスクとなっています。
  4. 販売不振
    競合他社との差別化ができていない、または顧客に自社の魅力を十分に伝えられていないことが、販売不振の原因となっています。
  5. 社会的信用の低下
    不祥事やスキャンダルにより企業の信用が失墜すると、顧客離れや業績悪化につながり、企業存続を脅かす要因となります。
  6. 災害の影響
    自然災害による事業への影響も無視できません。特に近年の異常気象により、その影響は増大しています。

これらの要因が複合的に作用し、日本の中小企業の生存率低下につながっています。企業が長期的に存続するためには、これらの課題に対する適切な対策が必要です。

大企業を支えているのは

 大企業も昔は小さな営業所から始まったりしています。当時の人々の営業努力や商品力の開発を血の滲むような努力をかけて今の立場を築いてきたと想像できます。なので一概に大企業を目の敵にしたりする必要もないとは思っています。しかしながらそこにはすでに長い年月をかけて出来上がった既得権益もあると思います。消費者を優先とする構造、仕組み化をした後は、どれだけ自身の生存に有利な仕組みを構築するか?が次の課題になるのは欲望の多い人間にとっては正当性、合理性のある行動ではないかと思います。そうなると中小企業が同じ市場に参入するのには相当なブレイクスルーが必要であり、傘下に入るなどして生存していくほかないと思います。

 今回は昔からある住宅業界の話ではありますが、安さ以外に強みがなければ難しいということのほんの1例だと思いますが、消費者も安さを求めることの代償を理解した方が良いと思います。全国的に工務店の倒産が増えているようです。ハウスメーカーの力が強くなれば大工さんや職人さんはそこから仕事を受注するしかなくて、安い労働力で買い叩かれるという構造になってしまいます。

 

本当に良いものをどう世の中に広めていくか

 個人的には商品力、良いサービスを提供できる中小企業はそれなりにあると思います。飲食店なんかは大手と個人が棲み分けをしてそれぞれが共存するようなビジネスモデルになっていると思います。

 中層企業にとって足枷となっているのは、マーケティングの難しさ宣伝広告費が馬鹿にならないということだと思います。宣伝広告費が財務を大きく圧迫しているような業界も多いと思います。

 良いものは原価が高い、これ以上宣伝広告費をかけると類似した安物との価格差が顕著になり、とてもじゃないけど市場での競争力が著しく弱くなる、など。

 ただし、今の時代はSNSが発達しています。SNSを通して口コミという形で広告をする方が確実な顧客獲得になるのかもしれません。本当に良いものを価格を抑えて提供するにはこういった手段が欠かせないと思います。

消費者のマインドも大事

 安物買いの銭失い、安かろう悪かろう、など昔からある諺は本質をついています。消費者が安さを基準に購買活動をすればするほど大手が有利になり、本当に良いものが消えていってしまいます。

 食にしろ、住居にしろ、本当に良いものは高いです。自分が出したお金がどこかで誰かに中抜きされることなくダイレクトに職人さん、大工さん、生産者に届くほど嬉しいことはないと考えています。中抜きされたお金は見栄えなどのコストなのかもしれませんが、自分はそこに価値を見出していません。

 本当に良いもの。

 価値があるもの、体にいいもの、心や魂のこもったもの、そういったものに自分の時間とお金を預けたいものです。

 そんなことを考えていたニュースとストーリーズでした。

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