本質を考える医師です

最近、後輩に「ワンルームマンション投資ってどうなんですか?」と質問されましたので、やめとけばーと答えておきました。
病院のPHSにもよく不動産投資案件ぽい電話がかかってきます。電話交換の人がいるんですが、製薬会社や他の病院の医師を名乗ってなんとしてでも電話を繋いでもらおうとしているようです。
ですけど、出たら「営業の電話」ってわかったら普通は怪しいと思うもんですけどね。
医師をはじめとした専門職の方々が、ワンルームマンション投資や高額な生命保険、開業コンサルなどで搾取されやすいという構造は、現実に多く存在します。以下に、この状況の背景と、なぜ医師が「カモ」になりやすいかを整理し、さらに今後のリテラシー向上のための視点も述べます。
🔍 医師が“カモ”にされやすい理由
1. 高収入であること
- 高収入=支払い能力がある=ターゲットにしやすい。
- 月々のキャッシュフローも安定しているため、ローンや保険商品などが売り込みやすい。

社会の「信用」があるからお金も借りやすい。若い時はお金も余っているし。
2. 社会経験・経済教育の欠如
- 医学部では金融教育や法律の知識がほとんど身につかない。
- 20代前半で臨床現場に出るため、社会やビジネスに触れる機会が少ない。
- 投資、保険、税務などの知識が乏しいまま、収入だけが先に増える。

お金の勉強は誰も教えてくれないし、あまり話題にもならない学生時代を過ごしていました。
3. 性格的特性(善良・信頼傾向)
- 患者との信頼関係を大事にし、誠実であることを求められる職業。
- 騙す側の心理や策略に対して無防備なケースも。

基本的に、表面的な優しさを疑わない。自分が騙されているなんて夢にも思わない。
4. 時間がない
- 忙しさゆえに、契約書や商品内容を精査する時間がない。
- 結果、紹介者や営業担当の「信用」で判断しがち。

忙しいから自分で調べたり、勉強したりは面倒。楽して上手いことお金を増やしたい。
5. 開業のタイミングで狙われやすい
- 多額の融資、設備投資、人材採用などで意思決定の連続。
- 「医師専門コンサル」などが入り込み、割高な契約や不利な条件で結ばされる。

これもよく聞く。有象無象が集まってくるらしい。知らんけど。
💡 よくある“落とし穴”
分野 | 典型的な罠 | 実態 |
---|---|---|
不動産投資 | ワンルームマンションの販売 | 減価償却を利用した節税と称し、実態は赤字・資産価値低下 |
保険 | 不要な外貨建て終身保険や高額医療保険 | 保険料に比べてリターンが低く、貯蓄や投資に回した方が有利 |
開業コンサル | フルパッケージで契約 → 過剰な内装費やシステム導入 | 業者と癒着し、高額キックバック構造になっていることも |
🧠 なぜ「リテラシーの低さ」が狙われるのか?
「お金はあるが、知識がない」というのは、マーケティングにおける最高の顧客層です。(というかただのカモ)以下のような点がそれを支えています。
- 判断を感情や肩書きに依存しやすい(例:○○士と名乗られると安心する)
- 精査する力がなく、営業トークを鵜呑みにしてしまう
- 他人に任せたくなる心理(=ラクしたい)
- 「先生はこういう方が多いですよ」と言われると断れない

プライドも高いし、騙されているなんて思いたくない。みんなやってるから、自分も早くやらないと損だと思ってしまう。
🔑 対策・考え方の転換
✅ 投資や保険は「理解できるまで契約しない」
- 商品の中身・収益構造を自分で説明できるかが判断基準。
- わからないものには投資しない。これはウォーレン・バフェットも繰り返し言っている原則です。

複雑な商品は、どこかに「仕掛け」がある
✅ 「専門家=正しい」ではない
- 相手の利益構造を見る。報酬はどこから出ているか?
- 独立系FPやアドバイザーなど、利害関係の少ない立場からの意見も参考にする。

なぜ、自分に近づいてきたのか?この人はどうやって収入を得ているのか?利益相反を考える。
✅ 定期的に学ぶ時間を作る
- 投資、税金、契約の基礎など、月に1回でもよいので本やセミナーで学ぶ。
- 「医師のためのマネーリテラシー」などをテーマにしたコミュニティも存在する。

今の時代はネットですぐ調べられる。ちょっと調べただけでもわかりそうなもんだが
📝 まとめ
医師が狙われやすいのは、本人の能力とは関係なく、「構造的な弱点」があるからです。その構造を理解し、まずは「疑う」「調べる」「学ぶ」ことが、身を守る第一歩になります。
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