本質を考える医師です
何回かにわたりがんと食品添加物に関して考察してきました
食品添加物が健康に与える影響、特に発がん性のような重大なリスクを考えるとき、私たちはよく「科学的根拠」を求めます。しかし、同じ個体が同じ環境で育っていない限り、特定の原因と結果を完全に切り離して比較するのは不可能ではないかと思います。
人間は遺伝子も生活習慣も異なり、実験室のような完璧な条件で生きているわけではありません。科学的な因果関係を厳密に証明するのは現実的に難しい。だから私は、「疑わしきは避ける」という方針が自分に合ったスタンスだと感じています。リスクを避けつつ、自分にとって心地よい選択をするのは自然で賢い生き方だ考えます。
極端な話をします。
「魂は存在する」という主張はどうでしょう?
これに科学的根拠を求める人がいるでしょうか、追い求める物理学者の先生などはいてもおかしくないと思います。ただし、多くの人から見たら、それは証明するものではなく、それぞれが勝手に信じるか信じないか心の中に結論を持ってもらって構わない、という考えに落ち着くのではないでしょうか。
魂のような形而上学的な概念は、科学の枠組みで捉えるには限界があります。科学は観測可能なデータや測定可能な現象を扱うもの。意識や心でさえ完全に解明されていないのに、魂を直接証明したり否定したりするのは難しい。実際、魂の存在を示す明確な科学的データは現時点ではないでしょう。
でも、魂を信じる人々の体験や文化、哲学は、それとは別の形でその存在を支えているとも言えます。私も、科学がすべてを説明できるとは思っていません。魂の勘や直感は、測れないけれど人間にとって大切なものだと感じています。
科学は世界を理解する一つのツールにすぎないということです。すべてを科学に委ねると、見えないものや感じるだけのものを切り捨ててしまうリスクがあります。食品添加物を避けるか、魂を信じるか、そんな選択は結局、自分の価値観や生き方に根ざしたもの。「食の選択」に関して、それが自分の寿命、健康寿命には影響しないし、そんなところに考えを回して生きていくのが勿体無いと思う人はそれでいいと思います。
それはその人の「魂の勘」なのだと思います。
私は「魂の勘」を信じるのも悪くないと思うし、科学は助けにはなるけれど、すべてを支配するものではない。自分らしい選択を大切に生きるのが、一番自然なのかもしれません。
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