本質を考える医師です
本日のテーマはホッキョクグマです?
ホッキョクグマと人間に迫る見えない危機
ホッキョクグマと人間に迫る見えない危機
ホッキョクグマはあらゆる文明から離れた場所で生きていますが、実は世界のあらゆる動物の中で有毒物質に最も汚染されている生物の一つです。その影響で、彼らの免疫システムや繁殖能力が危機に晒されています。なぜそんなことが起きるのでしょうか?
想像すれば、それはホッキョクグマが食物連鎖の頂点にいるからであることと関係しているように思えます。
生物蓄積と生物濃縮
ニンゲンが河川に垂れ流した汚染物質はすべて海に流れ着きます。その多くが自然に分解されることなく蓄積していきます。こうして地球を回った汚染物質は最終的に海の底に沈殿し、生物たちの体内に取り込まれ続けるのです。この現象を**「生物蓄積」**と呼びます。
さらに、これらの汚染物質は脂に溶けやすい「脂溶性」という性質を持っているため、食物連鎖の中で上位にいくほど、体内に蓄積される量は増えていきます。これを**「生物濃縮」**と言います。
つまり、小さなプランクトンが有害物質を取り込み、それを食べる魚、魚を捕食するアザラシ、そしてアザラシを捕食するホッキョクグマと、食物連鎖を上るたびに汚染物質の濃度は高まっていくのです。
人間も例外ではない
ホッキョクグマが有毒物質に汚染されるならば、食物連鎖の頂点にいるもう一つの哺乳類、つまりニンゲンも同じ影響を受けています。
実際、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)の研究者たちは、あらゆる年代のアメリカ人の血液や尿中に有害化学物質が148種類も含まれていることを明らかにしました。これらの化学物質に晒されるようになったのも、砂糖の摂取量の激増やオメガ3とオメガ6のバランスの急激な悪化と同様に、第二次世界大戦後からです。
1930年代には合成化学物質の生産量は100万トンでしたが、現在では2億トンにも及びます。ピッツバーグ大学のデイヴィス博士が『サイエンス』誌に発表した「工場で生産される化学物質とがん」という論文は、かつてはタブーとされることもありましたが、今ではこの問題が重大であることは広く認識されています。
それではわれわれの身の回りにはどれほどの発がん性物質があるのか???
考えてみたことはありますか?
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