本質を考える医師です。
最近ではマーガリンは悪者扱いされています。
この前、病院の苦情の中に「大学病院なのに朝のパンに未だにマーガリンをつけているとは何事か!!」とお叱りがあったのに驚きました。
もはや、医師よりも病院よりも患者さんの方が勉強し食事を見直しているからです。
さて、いったいマーガリンとは何者でしょうか?
本日のテーマは、
マーガリンとトランス脂肪酸がもたらす健康への影響
現代の食生活において、健康を脅かす大きな要因の一つとしてマーガリンが挙げられます。マーガリンは、バターの代替品として広く普及しましたが、その製法や成分に起因する健康リスクが問題視されています。
マーガリンの誕生と普及
マーガリンは、バターの代替品として19世紀にフランスで発明され、20世紀にかけて欧米を中心に普及しました。その背景には、経済的な理由と供給の安定化を図る目的がありました。特に第二次世界大戦後、安価な植物油を原料とするマーガリンが大量に生産されるようになりました。
マーガリンの問題点:植物性トランス脂肪酸
マーガリンには植物性トランス脂肪酸が含まれています。これは、液体の植物油に水素を添加し、常温で固まるように加工することで作られます。この工程で生じるトランス脂肪酸は、以下のような健康リスクを引き起こすとされています。
🚩 健康リスク
- 心血管疾患のリスク増加
- 炎症性疾患の増加(オメガ6脂肪酸よりも強い炎症作用を持つ)
- がんや肥満のリスク増加(特に欧米での劇的な増加が指摘されている)
❗ なぜマーガリンは大量に出回るのか?
マーガリンは酸化しにくいという特性を持ち、保存性が高いためスーパーの棚に長期間並べられるという経済的な理由が存在します。
動物性脂肪との対比
過去に、動物性脂肪(バターなど)が心血管疾患の原因であるとされ、マーガリンなどの植物性脂肪が推奨されてきました。しかし、近年の研究では次のような逆説が浮かび上がっています。
- 動物性脂肪による心血管疾患の因果関係は確実とは言えない。
- マーガリンの普及によってむしろ心筋梗塞などの心血管疾患が増加している。
まとめ
マーガリンや植物性トランス脂肪酸の健康への悪影響は、現代病の増加に少なからず関係していると考えられます。私たちの食事環境が大きく変化したことで、健康への悪影響が広がっていることを認識し、見直す必要があります。
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