本質を考える医師です
現代病と食生活の関係に関して考察したいと思います
私たちが生きる現代社会では、がん、アレルギー、認知症といった病気が増加傾向にあります。高齢化が一因であることは確かですが、アレルギー疾患のように年齢とは関係ない病気の増加も見られます。
この背景には、食を取り巻く環境の変化が大きく関与していると考えられます。特に、精製された糖や小麦の過剰摂取、添加物の多い加工食品の増加が問題視されています。今回は、現代病と食生活の関係に焦点を当て、特に血糖値の急上昇を引き起こす食品の影響について考察していきます。
精白糖とがんの関係
精白糖は血糖値を急激に上げることで、インスリン分泌を活性化し、インスリン様成長因子(IGF-1)の増加を引き起こします。がん細胞はブドウ糖を主要な栄養源とするため、高GI値の食事はがんのリスクを高める可能性があります。また、IGF-1は炎症因子を刺激し、慢性的な炎症ががんの発生に関与するとも考えられています。
GI値とは?
GI(グリセミックインデックス)値とは、食品を摂取した後の血糖値の上昇度合いを示す指標です。高GI値の食品ほど血糖値を急激に上げ、インスリン分泌を急増させます。これを繰り返すことでインスリン抵抗性が高まり、糖尿病やがん、動脈硬化といった疾患のリスクが高まります。
高GI値食品と低GI値食品
🔴 高GI値食品(血糖値を急激に上げやすい)
- 精製糖:白砂糖、ブドウ糖果糖液糖(ジュースや菓子類に含まれる)
- 精製小麦:白パン、ケーキ、ビスケット
- 白米:特に炊きたてや粥の形状
- じゃがいも:特にマッシュポテトやフライドポテト
- 加工シリアル:コーンフレークなど
- 甘い飲み物:清涼飲料水、エナジードリンク
🟢 低GI値食品(血糖値の上昇が緩やか)
- 全粒穀物:玄米、全粒粉パン、オートミール(無糖)
- 野菜:ブロッコリー、ほうれん草、キャベツなどの非デンプン質野菜
- 豆類:レンズ豆、大豆、インゲン豆
- 果物(適度に):りんご、グレープフルーツ、ベリー類
- ナッツ類:アーモンド、クルミ
- 発酵食品:味噌、ぬか漬け、ヨーグルト(無糖)
食事方法の工夫と注意点
GI値を抑えるための工夫として、次のポイントを意識しましょう。
- 低GI食品を意識して選ぶ
- 白米や精製糖を減らし、玄米や全粒粉を使用する。
- 食物繊維を含む食品と一緒に摂取する
- 野菜や豆類と一緒に食べることで、血糖値の急上昇を抑えられる。
- 食事の順番を工夫する
- 野菜やタンパク質を先に食べ、糖質の吸収を穏やかにする。
- 空腹時に糖質を避ける
- 朝食を抜いた後や、空腹状態で甘いものを摂取しない。
- 間食としてはナッツや果物を少量取る
- ナッツはGI値が低く、果物も適度であれば影響は少ない。
まとめ
現代の病気の増加には、食生活の変化が大きく関与していると考えられます。特に高GI値の食品を避け、血糖値の上昇を緩やかにする食事方法を意識することが重要です。食物繊維を含む食品を積極的に摂取し、自然のままの食品を楽しむことが健康の鍵になるでしょう。
健康的な食生活を意識し、病気を予防するためにできることを日々実践していきましょう。
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