
まずは若手の頃、特に研修医の頃に出くわす代表的な事例。「ワンルームマンション投資」への勧誘です。儲け話なんて基本は人には教えないですからね、ましてや赤の他人になんか。なんで寄ってくるかって、そりゃあ儲かるからですよ。
はじめに:「節税になりますよ」の甘い言葉にご用心
ある日突然、営業から電話がかかってきます。
「先生、今なら節税になる良い物件があります」
「将来の年金代わりにもなりますよ」
「実際に医師の方で購入されてる方も多いです」
——そんな言葉に、心を動かされた経験はありませんか?
でも、ちょっと待ってください。
そのワンルーム投資、本当に「節税」になっていますか?
❌ 節税の正体は「損をしてるだけ」
営業トークの中でよくあるのが、「減価償却を使った節税になりますよ」というもの。
確かに帳簿上は赤字になり、所得税が減るかもしれません。
しかし、赤字になるということは、実際にお金が出ていってるということ。
しかも減価償却は年々減っていきますし、将来売却時には「利益が出た」として税金がかかる場合も。
✅ 節税とは「得をする」ことではなく「損を小さくする」だけ。
それが本当に必要かどうか、見極める力が必要です。

あなたが赤字になっている分、黒字になっている人がいることをお忘れなく
❌ 想定利回りは「理想の未来」に支えられている
「利回り5%超です!」と書かれていても、鵜呑みにしてはいけません。
営業が提示する利回りは、たいてい以下の“希望的観測”に基づいています。
- 家賃相場がずっと維持される
- 空室が出ない
- 修繕費が予測通り
- 管理会社がうまく運営してくれる
しかし現実には…
- 周囲に新築が増える → 家賃下落
- 経年劣化 → 空室・内装負担増
- 修繕積立金 → 初期は安く、将来一気に上がる設計が多い
つまり、将来にわたって「うまくいく前提」で組まれている数字なのです。

全てがうまく運ぶ可能せがどれだけ低いことか・・・
感覚的にわかりますよね・・・
❌ 儲かる物件は“営業が持ってこない”
確かに、不動産投資で成功している人もいます。
ただし、その人たちは以下をクリアしています。
- 自分で勉強して利回り・リスクを精査
- 信頼できる業者とつながっている
- 地域相場やリフォームの知識がある
- 入居者対応・退去後対応を把握している
そして何より、**「営業が売りに来る物件は買わない」**という前提を持っています。
営業がわざわざ売りに来るのは、
「利益を乗せて売れる物件」だからです。
しかも、その利益は販売業者側のものであり、買い手であるあなたのものではありません。
❌ 「先生だけに特別に」は営業トークの定番
不動産営業は、医師を狙います。
なぜなら…
- 高収入
- 対人業務で疲れており、面倒な判断を避けたい傾向
- 他人を信用しやすい傾向(職業柄)
- 医学的な専門性の裏で、社会的リテラシーにギャップがあることが多い
だからこそ、こんな言葉がよく使われます。
「他のドクターにも紹介しています」
「今だけ、先生にだけご紹介できる特別物件です」
「信頼できる方にしか売れないので…」
これは、あなたのプライドと信頼を利用して、買わせようとする手口に他なりません。
✅ まとめ:営業の言葉より、「数字と構造」を見よう
- 節税になる=損してるだけ
- 利回りは希望的観測
- 営業が売り込む物件は、もう「売り時」
- 儲かる物件は、待ってても来ない
- お金を守るには、まず「疑う力」を
🧭 次に読む:医師が加入しがちな高額保険のワナとは?

✍️ あとがき
忙しいあなたが、営業トークに振り回されず、
本業に集中しながら資産を守るために——
必要なのは、「疑うこと」を悪いことと思わない感覚です。
大丈夫。少しずつ慣れていけば、必ず身につきます。
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