本質を考える医師です
今週は、月曜日から株価大暴落続きでした
証券口座を見て、悲しい気持ち・不安な気持ちになった人も多いのではないでしょうか?
引き金はもちろん、「トランプ関税砲」
トランプ大統領の関税政策が世界中で話題になっている状況です。さらには、中国が報復関税を発表し、市場が混乱して株価が下落するなど、影響は大きいです。
では、この関税の目的をいくつかの視点から分かりやすく整理してみましょう。
1. 関税の表面的な目的:貿易赤字の削減とアメリカ経済の保護
トランプ大統領は、アメリカが長年抱える巨額の貿易赤字を問題視しています。
貿易赤字とは、輸入額が輸出額を上回る状態で、特に中国やメキシコ、日本、EUなどとの取引でその差が大きいと指摘してきました。関税をかけることで、外国からの輸入品を高くし、アメリカ国内での生産を促して雇用を増やし、貿易赤字を減らすのが一つの狙いです。
これは「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」のスローガンに基づく政策で、国内産業を守り、製造業を復活させようとする意図があります。
例えば、中国からの輸入品に高い関税を課せば、アメリカ企業が中国製品に頼らず、自国で生産するインセンティブが生まれるかもしれない、という考え方です。また、関税収入が増えれば、政府の財源として減税やインフラ投資に回せる可能性もあります。
これが「アメリカを救う」という文脈で語られる理由の一つです。貿易赤字が続けば、ドルが海外に流れ出し続け、国全体の経済力が弱まる懸念があるため、それを防ぐための当然の措置だと考える人もいます。
2. 国債利息と経済崩壊を防ぐという視点
アメリカは世界最大の経済大国ですが、国債の残高も膨大で、その利息支払い負担が年々増えています。
2025年現在、連邦政府の債務は30兆ドルを超えるとも言われ、金利が上がれば利息だけで財政を圧迫しかねません。関税で得た収入を財政に充てれば、国債依存を減らし、金利上昇による経済崩壊を防げるかもしれない、という議論があります。
トランプ支持者の一部は、「このまま貿易赤字と財政赤字が続けば、アメリカは破綻する。だから関税で歯止めをかけるのは大統領として当然の責任だ」と主張します。
この視点では、関税は単なる通商政策ではなく、アメリカ経済の持続可能性を守るための戦略的な一手と見なされます。
3. 陰謀論的視点:ディープステートへの対抗
ここからが少しユニークな解釈です。
「ディープステート」という言葉は、トランプ支持者や陰謀論者の間でよく使われますが、これは政府や大企業、国際機関の中に潜む、表に出ない権力集団を指します。彼らがアメリカや世界の経済を裏で操り、一般市民を犠牲にして利益を得ている、という考え方です。
この陰謀論的な見方では、トランプの関税は単に経済政策ではなく、ディープステートを弱体化させるための武器だとされます。例えば、中国やEUに高い関税を課すことで、グローバル企業のサプライチェーンを混乱させ、彼らが依存する国際貿易の仕組みを壊そうとしている、という解釈です。
また、各国に巣食うディープステート(例えば、中国共産党や欧州のエリート層)が、アメリカの富を吸い上げていると考える人々にとって、関税はそれに対抗する「正義の鉄槌」となります。
分かりやすく言うと、トランプは「アメリカを食い物にする裏の勢力(ディープステート)を懲らしめ、国民に力を取り戻すために戦っているヒーロー」というストーリーです。この場合、関税は経済的な効果以上に、政治的・象徴的な意味合いが強調されます。
現実的な影響と評価
ただし、これらの目的が実際に達成されるかは別問題です。
関税で輸入品の価格が上がれば、アメリカの消費者が高い値段を払うことになり、インフレが加速するリスクがあります。
中国が報復関税をかけてくれば、アメリカの輸出産業(例えば農業や製造業)が打撃を受け、雇用が逆に減る可能性も指摘されています。市場の混乱や株価下落は、その不安の表れです。
日本への影響も無視できません。自動車や電子機器など、日本からアメリカへの輸出品に高い関税が課されれば、企業収益が圧迫され、経済全体に波及するかもしれません。
一方で、トランプが「ディール(交渉)」を重視する姿勢から、日本が譲歩(例えば米国産農産物の輸入拡大など)をすれば、関税を回避できる可能性もあります。
結論:目的は多層的
トランプの関税の目的は、表面的には貿易赤字削減と経済保護ですが、財政健全化や国債問題への対処という深い意図もあると考えられます。さらに陰謀論的には、ディープステートへの挑戦という政治的メッセージが込められていると見る人もいます。どれが「本当の目的」かはトランプ自身の言葉からも明確ではなく、状況に応じて柔軟に使っている可能性が高いです。
結局のところ、トランプはアメリカ大統領として「自国を強くする」という使命を果たそうとしているのでしょうが、その方法が世界経済やアメリカ国民にどんな結果をもたらすかは、まだ見えない部分が多いですね。あなたはどう思いますか?経済的な側面と陰謀論的な側面、どちらに重きを置くかで解釈が変わってきそうです。
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