本質を考える医師です。
世の中の出来事には「幸も不幸もない」と日々自分に言い聞かせているのですが、それでも「損をすること」は自分の中でうまく消化できるまでは「不幸な出来事」として心に引っかかり続けます。
そんな時は「損することは断捨離である」というマインドで対応することはどうでしょうかと言ってきました(リンク👉 https://onorenoo.com/【生】不幸は感情であり、幸せとは意思である③/ )が、今度は「幸せとはなんであるか?」に関して考察して行こうと思います。
まずは医師っぽく、生物学的なお話からしていこうかと思います。
みなさんは、人間のホルモンにアドレナリンとオキシトシンというものが存在するのはご存知でしょうか?
自分は、心躍るアドレナリンの出るような興奮や悦びよりも、オキシトシンが出るような凪のような平穏な心にこそ幸せの本質があると感じています。
アドレナリンとオキシトシンとは? その違いは?
アドレナリンとオキシトシンは、どちらも私たちの体内で分泌されるホルモンですが、役割や働きはまったく異なります。簡単に言うと、
- アドレナリン →「興奮・闘争・ストレス」のホルモン
- オキシトシン →「愛情・癒し・安心」のホルモン
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
🔴 アドレナリンとは?
(興奮・ストレス・危機対応のホルモン)
アドレナリンは、体が「戦うか逃げるか」(Fight or Flight)を判断する際に分泌されるホルモンで、交感神経を活性化 します。
🔹 アドレナリンの働き
- 心拍数を上げ、血流を増やす(戦闘や逃走の準備)
- 瞳孔を拡張し、視界をクリアにする
- 呼吸を速め、酸素を取り込みやすくする
- 瞬時にエネルギーを供給する(脂肪や糖を分解)
- 興奮や快感を生む(ギャンブル・スポーツ・スリル体験)
🔹 アドレナリンが出る場面
- スポーツや運動で興奮したとき
- サプライズやジェットコースターでドキドキしたとき
- 競争や勝負に勝ったとき
- 緊急事態や強いストレスを感じたとき
▶︎ 短期的な刺激を生むが、依存しやすい
アドレナリンが分泌されると、一時的な高揚感や快感を得られますが、次第に耐性がつき、もっと強い刺激を求めるようになる ことがあります。
例えば…
- ギャンブル依存
- スリルを求める行動(危険な運転・過激な挑戦)
- 仕事のストレスを快感に感じる「ワーカホリック」
→ 刺激がなくなると物足りなくなり、強い欲求が生まれる。
🟢 オキシトシンとは?
(愛情・絆・安心のホルモン)
オキシトシンは「愛情ホルモン」「幸せホルモン」とも呼ばれ、人とのつながりや信頼感、リラックスした状態 を作るホルモンです。
🔹 オキシトシンの働き
- 安心感や幸福感をもたらす(心が穏やかになる)
- ストレスを軽減する(副交感神経を優位にする)
- 人との絆を深める(信頼・共感・愛情)
- 炎症や痛みを抑える(リラックス作用)
- 心を落ち着かせ、満たされた気分にする
🔹 オキシトシンが出る場面
- 大切な人とハグや手をつなぐ
- ペットを撫でる
- 赤ちゃんを抱っこする(母子の絆に関与)
- 誰かに感謝される、優しくされる
- リラックスできる時間を過ごす(温かいお茶・瞑想・自然の中で深呼吸)
▶︎ 長期的な幸福感をもたらし、依存しにくい
オキシトシンはアドレナリンのような「刺激的な快感」ではなく、じんわりとした安心感や満足感を生み出すのが特徴です。
例えば…
- 家族や友人との穏やかな時間
- ゆっくりと読書やお茶を楽しむひととき
- ペットと一緒に過ごす癒しの時間
→ 一時的な興奮ではなく、深く満たされた感覚をもたらす。
🔵 アドレナリン vs. オキシトシン
アドレナリン | オキシトシン | |
---|---|---|
性質 | 興奮・ストレス反応 | 癒し・愛情・安心 |
出る場面 | 競争・スリル・危機 | 信頼・愛情・触れ合い |
効果 | 短期的な快感・やる気UP | 長期的な幸福感・安心感 |
影響 | 慣れるともっと強い刺激を求める(依存しやすい) | 繰り返すほど安定した幸せが続く |
例 | スポーツ・ギャンブル・SNSの「いいね」 | ハグ・ペットとのふれあい・瞑想 |
🟠 どちらが大切?
実は 「どちらも必要」 です。
- アドレナリンは 挑戦する力・行動力 を高める
- オキシトシンは 心を満たし、人とつながる 力を高める
ただし、「幸せとは何か?」を考えると、
アドレナリン的な幸せ(刺激の幸せ)よりも、オキシトシン的な幸せ(穏やかな幸せ)を大切にする方が、本質的な幸福に近づく のかもしれませんね。
スリルや興奮も時には大切ですが、そればかりを求めると**「もっともっと」と際限なく欲が生まれる**。一方で、オキシトシン的な幸福は、「今ここにある幸せ」に気づき、それを噛み締めることができる。
つまり、
✅ 「アドレナリン的な幸せ」は 外部から得るもの(刺激・達成感)
✅ 「オキシトシン的な幸せ」は 内側から湧き出るもの(安心・満足感)
「凪のような心の平穏こそが本当の幸せ」 という考え方は、まさに 「オキシトシン的な幸せ」にフォーカスした生き方 です。
🌿 まとめ
幸せとは「アドレナリン的な興奮」ではなく、「オキシトシン的な平穏」にある。
- アドレナリン → 短期的な刺激(興奮・快感)
- オキシトシン → 長期的な幸福(安心・つながり)
- 本当の幸せは、アドレナリンに頼らず、オキシトシンが生まれる日常を大切にすること
リンク
👉 https://onorenoo.com/【生】不幸とは感情であり、幸せとは意思である/
👉 https://onorenoo.com/【生】不幸とは感情であり、幸せとは意思である-2/
👉 https://onorenoo.com/【生】不幸は感情であり、幸せとは意思である③/
👉 https://onorenoo.com/【生】幸せとは意思である/
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